良いデザインは、単に見た目がきれいなだけではありません。
情報が整理され、必要なメッセージが自然に伝わる構造を持っています。
その土台となるのが、「デザインの基本4原則」です。
この4つは、あらゆるデザインに通じる普遍的なルールです。
順番に見ていきましょう。
1.コントラスト 違いを強調する
コントラストとは、色、サイズ、太さ、形、質感などの違いをはっきり出すことです。
重要な要素を目立たせ、視線を誘導し、情報の優先順位を明確にします。
ポイント
- 色は明暗・暖色と寒色・彩度の差を意識する
- 文字は大きさや太さで見出しと本文を差別化する
- 余白や背景パターンで要素の存在感を調整する
よくある失敗
差を中途半端にしてしまい、重要な要素が埋もれること。
「違いを出すときは思い切る」が鉄則です。
2.反復 一貫性をつくる
反復は、色や形、フォント、装飾などを繰り返し使うことで、デザインに統一感を与えることです。
繰り返しはブランドイメージを強化し、閲覧者の安心感にもつながります。
ポイント
- 同じ種類の要素には同じデザインルールを適用する
- ボタンやアイコンの形・位置・色を統一する
- 見出しのスタイルや余白の量をそろえる
よくある失敗
反復のしすぎで単調になってしまうこと。
必要に応じてコントラストを加え、変化と統一のバランスをとることが重要です。
3.整列 視線を揃える
整列は、要素の位置を基準線に合わせて配置することで、秩序と一貫性を生み出す原則です。
人間の目は無意識に「線」を追うため、整列されたデザインは読みやすく、洗練された印象を与えます。
ポイント
- 左揃え・右揃え・中央揃えを混在させない
- 要素同士の端を見えない線で揃える
- グリッドやガイドを使って規則的に配置する
よくある失敗
「なんとなく揃っている」で済ませること。
ピクセル単位での調整が、仕上がりを大きく変えます。
4.近接 関連性をまとめる
近接は、関連する要素を近くに配置し、関係のない要素を離すことです。
情報のグルーピングを行うことで、閲覧者が一目で構造を理解できます。
ポイント
- 同じカテゴリの情報はひとまとまりに配置
- 関係のない要素の間には十分な余白を確保
- スペーシングで情報の階層を示す
よくある失敗
余白が不十分で、情報が混ざって見えること。
余白は「空白」ではなく「意味を持った区切り」と考えましょう。
4つの原則は「同時に」働く
コントラスト、反復、整列、近接は、単独で機能するものではありません。
例えば、見出しを大きくする(コントラスト)と同時に、そのスタイルを統一(反復)し、位置を揃え(整列)、関連する文章とまとめる(近接)ことで、情報は一層明確になります。
デザインの上達は、この4つを意識的に組み合わせ、状況に応じて強弱をつけることから始まります。
まとめ
デザインの4つの原則は、見た目を美しくするだけでなく、情報を「伝わりやすく」するための技術です。
これらを意識すると、初心者でも一気にデザインの質が上がりますし、経験豊富なデザイナーでも基礎の確認として活用できます。
次に何かをデザインするとき、ぜひこの4つの原則を思い出してください。
きっと、見る人の理解と印象が劇的に変わるはずです。
投稿者(アートディレクター・デザイナー 山本真一郎)は、SIROPCOLORという屋号にて、ブランド戦略策定やブランディングに取り組むクライアントをサポート。グラフィック、Web、UI/UXなどデザインの領域を横断して、企業・製品・サービスの本質を捉えたコミュニケーションデザインに取り組んでいます。